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人生をよりよく生きるために、アンチエイジング大研究

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BRAIN ENTRANCE_SUB 脳と老化の関係

   

--脳の役割 --
 脳と老化の関係を考えるとき、脳の二つの側面を考慮しなければならない。つまり、生命維持に必要な臓器としての脳と、生き甲斐や感情などに代表される心的側面である。臓器としての脳は脳にエネルギーを供給する血管や、外界からの情報を得て体をコントロールする心経ネットワークを含めて考えなければならない。いくら精神が健全でも血管障害や神経障害があれば当然老化は進む。逆に生命維持活動に問題が無くても、「老人性うつ」などの心の障害を抱えていては、生きる張り合いもなく、長寿の障害となる。
 認知症など、心と体の両方を蝕む病気も長寿の障害となる。
 アンチエイジングを考えるにあたって、我々は何に気を付け、どのように生きればよいのだろうか?。まずは生命維持の観点から考えてみたい。
 研究方針のところでも述べたが、最近、脳科学で大きな発見があった。以前は脳細胞は誕生前には分裂して増殖するが、生まれた後は、突起という手足のように突き出た部分が長くなり、お互いの連絡を多くするが、細胞の数は増えないとされた。さらに20歳を過ぎれば1日に10万個づつ脳細胞が死んでゆくという話も聞かされた。
すると毎日脳細胞が無くなってゆくのだから、ボケる以外にないような気にもなる。ところが近年の研究発表によれば70歳を越えた人でも脳細胞は分裂して増えるということが分かったのである。
 そこで成熟したネズミを使って、どのような場合に脳細胞は増えるかを調べた。すると、ネズミを刺激的で、興味ある環境におくと脳細胞が増えることが分かった。また運動は脳細胞を増やす。しかしいやいややった運動は駄目なのだ。ネズミは水が嫌いである。したがってネズミをむりやり泳がせても脳細胞は増えないのだ。   
 素晴らしい発見である。私たちは今まで脳の細胞は毎日死んでゆく、けっして増えることはないと 教えられてきた。まして、筆者のように毎日の晩酌を楽しみにしている輩は、アルコールによりシナプスが解けてさらに減っていくのだと。しかしそんなことはないのだ。脳の細胞も刺激すれば増えるのだ。

 筆者の年代で「脳」といえば、大抵、「ブロードマンの脳地図」を思い出すのでhないだろうか。言うまでもなく、大脳皮質組織の神経細胞を染色して可視化し、組織構造が均一である部分をひとまとまりと区分して1から52までの番号をふったものである。
 しかし、最近っでは「近赤外光脳機能イメージング装置」などをはじめとする最新の脳の機能を可視化できるという技術や装置が次々と開発されている。新潟大学脳研究所の澁木克栄先生、塚野浩明先生は、「フラビン蛋白蛍光イメージングによる高次脳機能解析」という手法で、今まで正しいと思われていた聴覚野の地図がかなり不正確であることがわかったと言われている。従来は、計測法により検出できる数が食い違っていた聴覚領域であるが、塚野先生は未知であった領域を発見しつづけ、既に現在7つの領域が発見されているそうであある。澁木先生は「聴覚野、視覚野、体性感覚野の研究をしていますが、それらが単独で機能することはありえません。例えば、私たちがそこにある コップを手に取るという行為一つとっても、まず目で見てここにコップがある、手で触ってあることを確認する、それでコップというものの空間的位置を把握できる。その場合、視覚だけでも、体性感覚だけでもすまない。総合しないと空間上のものの位置は正確に把握できない。そのインタラクションを担う部分を、感覚連合野と呼びますが、それが私たちの重要なテーマです。」と言われている。つまり、最近の研究により、血管障害やシナプスの障害がほんの一部で起きても、脳の認知は「違ったものになる」ということが以前考えられていたことと違うというのが筆者の理解である。
--出典-- http://xlab.leica-microsystems.com/database/lsr4/
 
 血管障害から考えられる影響は大きいだろう。一般的には、生活習慣病や加齢が原因になる。最も多いのは脳梗塞(のうこうそく)。脳の動脈が詰まって血流が滞り、その先の脳細胞が死んでしまう病気である。このほか、脳の中で起こる出血(脳出血)や、脳を覆う髄膜の間で起こる出血(くも膜下出血など)がある。どちらも体の片側のまひや意識障害、言語障害などを起こし、後遺症を残したり命を落とすこともありうる。
 
 認知症も大きな問題である。主なものに、脳血管障害が原因で起こる脳血管性認知症と、脳の神経細胞が破壊されて脳全体が萎縮するアルツハイマー型認知症があるが、アルツハイマー型認知症の原因はわからないと言われてきた。しかし、最近の研究で明らかになってきた。
 近年,アルツハイマー病を中心とした老年期痴症の理解は大きく進展している。まず,アルツハイマー病の分子レベルでの病態の理解にともなって,アルツハイマー型と他の神経変性痴呆症を鑑別することができるようになった。以前は.老乍期痴呆症を大きく脳血管性痴呆(cerebrovascujar dementia)と老年痴呆(qenile de-mentja of the Alzheimer type)とに大別していたが,アルツハイマー病以外にも多くの神経変性痴呆症(pli・mary neurodegeneralive dementia)が存在することが知られるようになり,レビー小体病(diffuse Lewy bodydisease),前頭葉型痴呆【frontal】obe demcllia),皮貿基底核変性症(corlicobasal degneration)などをアルツハイマー病から区別して取り級うようになった【図】
 実際の臨床の場でもこのような変性性痴呆症を鑑別診断することが求められるようになった。
 第二点の違展は,アルツハイマー病の原閃遭伝子の同定である.アルッハイマー病研究は,まず家族性アルツ
ハイマー病の病理過程の解明を端緒として進展してきた。1991年以来家族性アルツハイマー痢の原因遺伝子が次々と明らかにされており,アミロイド前・体蛋白APP),プレセニリンー|{PSU,プレセニリンー2(PS2)の変異によりアルツハイマー病が発症することが明らかにされた。1991年以来家族性アルツハイマー病の原因遺伝子が次々と明らかにされており, アミロイド前駆体蛋白4) の関与が明らかにされた. 第三点は, このような研究を基盤として, アルツハイマー病治療薬の開発が急速に進められ, 1993年に最初のアルツハイマー病治療薬が使用されるようになり, 1997年からは欧米諸国において第二世代のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤が抗痴呆薬として使用されるようになったことがあげられる. 本稿ではこのようなアルツハイマー病の研究の流れの中で, 最近の重要と思われる報告について概説する.
--出典-- アルツハイマー型痴呆研究の最前線 武田 雅俊, 篠崎 和弘, 西川 隆, 工藤 喬, 中村 祐, 田中 稔久 日本老年医学会雑誌 35 巻 (1998) 3 号 p. 157-163   公開日: 2009/11/24 


 

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