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アルツハイマー病とAGEs

アルツハイマー病(Alzheimer’s disease:AD)は、脳を構成している神経細胞が通常の老化よりも急速に減ってしまうこと(変性)によって、正常な働きを徐々に失っていき、認知症(痴呆)になっていく病気です。

原因はまだわかっていませんが、遺伝的な要因に加えて生活環境の影響が重なり、発病すると考えられています。
ADの特徴的な病理構造物はアミロイドβ蛋白(amyloid β protein:Aβ)で構成された老人斑です。
Aβは40個のアミノ酸からできており16と28番目のアミノ酸が糖化されると推定されています。
またAD患者脳の前頭葉から得たタンパク分画には、健常老人と比べて3倍のAGEsを含むことが報告されています。

現在、AβのAGE化は2次的な修飾として起こるという考え方が主流ですが、糖化によるタンパク質間の架橋がAβの凝集・沈着を促進・加速する因子として関与しているとも考えられています。

ADにおいて老人斑とならぶ重要な病理構造物に、神経原線維変化(neurofibrillary tangles:NFT)があります。NFTは電子顕微鏡観察的にPHF(paired helical filaments)とよばれる特異な線維の束で、タウ(微小管結合タンパク質の一種:tau protein)を主成分としています。

タウは脳の神経細胞に蓄積し、その細胞を破壊するアルツハイマー病の原因物質であるといわれています。
AD患者脳から抽出されたPHFタウは糖化されているけれども、可溶性タウまたは非痴呆者脳のタウは糖化されていないことが報告されています。

また糖化されたPHFタウは、アミロイド前駆蛋白(amyloid precursor protein:APP)とAβの生成を誘導し、これらの細胞内蓄積を増加させます。

タウの糖化によって、タウの沈着促進と共にAPPの蓄積によるAβの生成がADの病態に関与していると考えられています。

また培養ラット海馬ニューロンに各種AGEsを添加し、アポトーシスの発生を調べた実験では、AGEsが神経毒性を有することを示しています。

これらの神経毒性はグリア細胞(神経系を構成する神経細胞ではない細胞の総称:glial cell)にあるAGEs受容体(RAGE)を介して生じたと推定されています。

さらにAβのAGE化によって活性酸素、NO、炎症性サイトカイン(IL-1、IL-6、TNF-α)の産生が神経毒性を増強しているとも考えられています。

以上のようにAβの糖化抑制は、老人斑の抑制、糖化・リン酸化タウの凝集抑制によるNFT形成の抑制、AGEs自体の産生抑制が神経細胞死の進行を抑制し、アルツハイマー病の病態改善に作用する可能性があると考えられています(図5.)

5. AGEsのアルツハイマー病の病態への関与
(佐々木,AGEs研究の最前線(メディカルレビュー社)より)



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